本から見るシェアの流れと外的要因との戦い

 

こんにちは。

今回は初の試みで、
読んだ書籍から自分なりに思ったことを
書きたいと思います。

今回紹介するのは、
「誰が音楽をタダにした」という本です。

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ご興味ある方はぜひ本をご購入し、
ご一読して頂ければと存じますが、
簡単にあらすじを申しますと、
1990年代から2000年代に掛けて起きた、
音楽業界の激変を描いたノンフィクション作品です。

 

何人か主人公がいて、
音楽にかかわる、
あらゆる立場の人から構成されてます。

 

大きく分けると、
MP3という音楽をデジタルに変換し、
デジタル音源として視聴が可能になる技術を
開発した人。

発売前のCDをデジタル音源に変換(違法に複製)し、
インターネット(ファイル共有サイト)を
通じて世界中にばらまく人。

アメリカのメジャーレコード会社のCEOで、
数々のアーティストを発掘したヒットメーカー。

 

この三者で物語が進みます。

 

この立場が異なる三者
(物語の中でも一回も遭遇しない三者)が
どのように互いに影響を及ぼし、
その結果三者どのような状態になるのか、
これが物語の見所です。

 

私がこれを見て思ったことは、
MP3という規格がなぜここまで世の中に普及したのか。

なぜ2000年代にファイル共有サイトに
発売前のCDの曲が無料でアップされたのか。

なぜ音楽の無料化が止まらなくても、
アメリカの音楽業界は持ちこたえたのか。

これは現在の世の中の流れ、
はたまた保険代理店業界にも参考になるものが
多いと感じました。

 

まず、MP3がここまで普及した理由についてですが、
簡単な例で申しますと、
VHSとベーターのビデオの規格戦争に近いもので、
技術の優劣ではなく、
規格を使用しやすくしたところになります。
要は世間にシェアを加速するために、
リスクを負って情報・技術を開放したことにあります。

 

MP3はMP2という規格と音源の世界標準を争ったのですが、
MP2は巨大資本の後ろ盾で、
政治の力を利用しながら標準を獲得する作戦に出て、
実際にはMPEGという機関はMP2を標準と認定しました。

 

しかし、MP3の開発者は世界に普及させるべく、
より良い音をより軽いデータ容量にすることに成功し、
これを普及させるためにPCなどで変換できるソフトを
無償で公開しました。

 

これはMP3を開発した人たちが、
巨大資本に負けない、
より技術を広めたいという強い想いが、
無償公開と言う判断に出ました。

 

歴史は繰り返すもので、
ベータとVHSの規格競争も、
より技術を広めたいという弱者側の戦略は、
技術を内に閉じ込めるのではなく、
外に開放することです。

 

これからの時代は人間関係、販売戦略などにおいても、
シェアの時代です。
自分達の売り方についても、
我流ではなく、代理店や異業種と
シェア・共有することで、
自分自身の営業力が高まります。

 

ポイントはうちに閉じ込めるのではなく、
外に開放、自分も人と共有することです。

 

そして、ファイル共有サイトについては、
リスクを冒してまで
何故無料で音楽ファイルをアップロードするのか、
しかも発売前のものまで。
私はそれが昔からずっと不思議だったのですが、
そこには損得抜きの人の権威・賞賛などの
「欲」であったのです。

 

この本の主人公のように、
多少の営利目的でアップロードする人も中にはいたようですが、
カオス状態のネット住民の中で、
一目置かれたいという欲望や競争意識が、
この音楽データを誰より先にアップロードするか。
販売前のCDを入手できる人間に近づけるか。

 

私含め一般の人には理解できない事ですが、
何故リスクを冒してまでアップロードし続けるのか。
賞賛欲しさにそこまで必死になれるのか。
これは人間の欲の深層を知るうえで、
とても参考になります。

 

そして、MP3・ファイル共有サイトという
音楽が一気に無料で出回る仕組みが作られてしまい、
CDの売上が激減してしまう音楽業界。
数々のアーティストを世に出した大物CEOが、
突如出てきた外的要因にどう立ち向かい、
どう勝機を見出すか。

 

経営と言う立場で言うと、
このCEOの物語は解りやすいと思います。

 

残念ながら日本の音楽業界は、
未だに復活出来ておりませんが、
アメリカの音楽業界が復活できた理由は、
もともとの市場が大きいからか、、
それともこのCEOのような
業界を代表する優れた人間がいないからなのか。
そこは解りませんが、

 

自分達が予期せぬ所から現れた、
外的要因に対して、
いかに立ち向かうか。

 

このCEOの行った対策・戦略は、
私たちの業界でもヒントになります。

 

あえて一つ言えるとすれば、
外的要因をあの手この手で
潰そうとしても、
実際には潰せない。

 

それよりも別の手段で
キャッシュを獲得する方法を考え、
外的要因で衰退した市場、
分野から別の市場、分野へと
シフトチェンジするというのが、
重要です。

 

MP3を開発した技術者たちが
広めるために行った、
シェアの方法。

 

ファイル共有サイトで
リスクを冒してまで無料で
新曲をばらまく一般人の
優越感の仕組み。

 

音楽が無料で出回るようになり、
CDが売れなくなった時に、
他の方法で市場を広げる経営者の挑戦。

 

どれもこれからのビジネスに役立つ
ヒントが得られます。
もしご興味あれば、
ご一読を。

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