理念と商売っ気

 

先日とある会合に行きました。

経営者数名と弁護士数名の会合でしたが、
私も他の経営者の方も弁護士業界に対する話には、
とても興味があったので、
弁護士の実情や仕事に対する想いなどを、
色々質問して、お応え頂きました。

 

参加された弁護士の皆様は地域で長きに渡り
活躍されている方ばかりなので、
移り変わる時代に対して、

 

どのように対応されたのか。

これからどう対応していくのか。

 

色々と聞かせて頂き、
とても勉強になりました。

 

その話の中でとても印象深かった話を紹介します。

 

それはベテラン弁護士が言った言葉でした。

「〇〇先生は商売っ気が強いからね。」

「あれでは本来の弁護士の理念と反するよ」

「我々はいかに自分の司法信念を
持って仕事をするのが大切」

という言葉でした。

 

簡単に言うと、

「商売っ気よりも司法資格者としての想いを持って、
業務に取り組む方が大切」

ということでした。

私は常日頃どのようにすれば売り上げが上がるのか、
どのようにすれば良い顧客を新たに創出できるか、
どのようにすれば既存顧客の満足が高まるのか、

そのようなことばかり考えてしまいます。

当然仕事に対する信念を持つことは大事です。
信念なくして仕事なしとも思っております。
しかし、同時に、信念を貫くためには、
商売を成功しないことには始まらない。
と考えております。

どちらが大事というのではなく、

どちらも大事。

しかし、商売をする上では、
顧客拡大・顧客開拓が一番大事だと思います。
(信念に共鳴する人をいかに
増やせるかが大事ということです)

そして、それはどの業種であっても、
同じであると感じておりました。

弁護士業界もそれは一緒であろうと思ってました。

現に弊社には自動車保険の
弁護士費用特約を使い、
自動車事故の弁護士依頼を
是非任せてほしいという
営業を弁護士事務所からも受けたりします。

また、DMなどで弁護士費用特約を利用した、
弁護士事務所とのタイアップによる
営業拡大戦略などの
セミナーのチラシも届いたりします。

しかし、ベテランの敏腕弁護士は、
「まずは信念こそ重要」
弁護士が商売っ気を臭わせては
いけないという意見でした。

この意見に対して、
私は賛成とか、反対とかそういう
議論をする気持ちはなく、
単に
「面白い考え方だな」
と純粋に感じました。

 

例えば保険代理店業界で、
商売っ気の強い代理店がいたとします。
(基本保険代理店は商売っ気強いです)

そんな中、他代理店とは一線を画す手法で、
売上を伸ばした代理店が出たときに、

「あそこは商売っ気強いから」

「それよりも大事なのはいかに顧客に寄り添うかだよ」

なんていう代理店はいないと思います。

むしろどうやってそういう手法を身に着けたか、
あわよくばマネをしたい。
という気持ちになると思います。

では、そのベテラン弁護士は儲かっていないのか?
(この観点がすでに下世話ですよね)

そんなことありません。

人が羨むような家に住み、
人が羨むような車を複数所有し、
沢山弁護士が所属する弁護士事務所の所長さんです。

弁護士という資格はご存知の通り、
文系資格の最高峰。
かつては資格を取れば必ず成功すると言われた、
憧れの資格です。

狭き門の資格であった点。
登録弁護士に対して需要の方が多かった点。

それが資格取得=成功と言われた点だと思います。

需要過多の分、
新規開拓営業というのは殆どする必要がなく、
そのエネルギーを、
司法に対する強い信念。
そのこだわりを持って、
いかなる相手にも立ち向かう事で、
仕事に向き合っていたのだと思います。

強い信念・想いで顧客満足を高めれば、
自ずと仕事が入る仕組みがあったのです。

その流れが冒頭の言葉の意味と感じました。

しかし、現在は司法制度改革の結果、
多くの司法試験合格者を輩出し、
需要に対して弁護士の数が増えすぎ、
供給過多になってしまいました。

その結果、新規開拓をせざるを得ない
弁護士・弁護士事務所も出てきました。

前述のベテラン弁護士は今までの信念を曲げずとも、
今までの実績で売り上げは安定しているのです。
これは保険代理店業界とも同じですが、
先行者利益を獲得した世代の賜物だと感じます。

しかし、私たち以下の弁護士資格者は

そうも言ってられないと思います。

 

いかに競争に勝ち、

成功を収めるか。

これを第一に考えている弁護士も多いのが現状です。

 


「本日のまとめ」

今回のベテラン弁護士の話を聞いて、

もし、弁護士とタイアップして
売上を上げたいと考えている代理店さん、
保険営業の方に言いたいのは、
全ての世代に営業UPや新規開拓のお手伝い、
という手法で弁護士と近寄るのは

注意が必要だと感じました。

 

今後親しくなりたいと考えている
弁護士がいましたら、
まずは仕事に対する信念をお聞きすることを勧めます。
そのうえで新規開拓などに興味があるのか、
商売っ気を出すことを嫌がる方なのか、
その点を十分ヒアリングすることで、
その先生の考えに寄り添えるような

立場になれると思います。

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